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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
17 その十六 家族は六人・目一ツ半
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,745 字 · 44 页
それから妾宅へ廻ったのである。
「流しの犯行ときまったね」
と、虎之介が軽く呟くと、新十郎は笑いながら、
「犯人はオカネをしめ殺したのち、フトンやアンドンを片隅へひきずりよせて、部屋の中央のタタミとネダをあげて、壺をとりだして金を盗んでいるのですよ。ほかのところには全然手をつけずに、ね」
彼も軽く呟いた。
★
一同は夜分になるのを待って再びアンマ宿へ行ったが、家族たちはまだ戻ってこない。ちょうど弁内が仕事にでようとするところだった。
「大そう精がでるね」
「ヘッヘ。腕が物を云いまさア。お名指しのお座敷でござい、とくらア」
「石田屋かい」
「アレ。旦那も大そうカンがいいね。もっとも、ほかにお名ざしの口てえのはないからね。人殺しがあったてえから、話をききたい人情もあらア。物見高いものさ。昨日今日はウチの前が人ダカリだってネ。あの旦那は火事の晩、ちょうど私があの人の肩をもんでる最中だったが、火事はウチの近所だてえと、メクラの私の代りに火事見舞いに行ってくれたよ。これも大そうなヤジウマさ」
「手伝いに来てくれたのかえ」
「まさか、それほどでもないでしょう」