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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
18 その十七 狼大明神
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,208 字 · 52 页
しかし、身からでた錆で、それがついにはかほど大事に至ろうとは思いもよらなかったことでしょう。ウカツにイタズラはするものではありませんな」
「まもなく番頭の定助が殺されたのですか」
「では記録を調べてお答え致しましょう」
古老が記録を取り寄せてくれた。
定助が殺されたのは火事のあと一月ほど経ってからのことだ。殺された場所がオーカミイナリの古文書に祖神のミササギと称している古墳の中であった。背から胸へ神の朱の矢で射ぬかれてことぎれていた。フシギな場所で死んでいたが、さらにフシギなことには、彼はクワを握り、古墳の中で穴を掘っている最中に後方から射殺されたのである。どういうワケでそんなところに穴を掘っていたか、誰にも見当がつかなかった。そしてその後、定助の掘りかけていた小さな穴の四周を人々が大がかりに掘ってみたが、何一ツ現れてこなかったのである。
「誰云うとなく村の噂が語り合ったものですが、加治さんの土蔵から神の矢の主が持ち去った黄金がオーカミイナリの祖神のミササギと称するものの中に隠されているんじゃないかと推量した定助が深夜掘りにでたものではないかというのです。