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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
04 その三 魔教の怪
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,829 字 · 45 页
狼に食べられて腹をさかれるということを予言しておったのです。予言が実現したわけですが、かのカケコミ教は、私を犯人と見せるために、私の家の庭園中でまち子を殺したのです。私たち夫婦の不和や敵意などを、まち子の口からきいて知っていたからでしょう。かえすがえすも憎むべき狡智の邪教徒どもです」
彼はこう云いはるのみで、他は口をつぐんで答えない。見るからに精力的な、あくまで強情な人柄であるから、一たん云いはったら、テコでもうごくものではない。新十郎はあきらめて、
「では、妹御にお目にかからせていただきたいものですが、よろしいか」
「それは妹の自由です」
「では、さッそく留守宅を訪問いたしますから、悪しからずおききおき下さい」
「妹は兄にまけない強情な女ですからな。アハハ」
全作の笑声を背中にきいて新十郎は戻ってきた。
これを一同に報告して、重立った者のみが七八名で、竹早町の月田邸を訪ねた。久世山の教会から月田邸までは、歩いて十分あまりの距離でしかない。
まず女中に乞うて、庭に入り、現場をつぶさに調べる。女中たちをよびあつめて、誰か深夜にそれらしい音はきかなかったかときくと、使用人の部屋はすべて庭の反対側に面しているから、庭の奥の物音はいかな深夜でもきこえないという返事である。