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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
08 その七 石の下
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,242 字 · 65 页
父と兄が去ると、千代はホッとした。そして亡き津右衛門の必死に示した指を追い、その意味を判じ先祖伝来の遺言を復活して東太に伝えるのは自分に課せられた一生の仕事であると心に誓うところがあった。
さッそく仏間に入り、本尊の秘密の胎内から系図をとりだして調べた。この系図はまさしく慶長年間からはじまっていた。
その系図の文字とは別に、何かこまかく書きこまれているのは、それが津右衛門のオジイサンが書き加えたという文字にちがいない。そのほかには書きこみがなかった。しかし、その書きこみには、別にそう重大らしいことは書いてなかった。
「千頭家は当地移住まで特に記すべき血統なし。初代津右衛門長女さだ」
そこまでは当り前の文字であるが、その次から風が変って、字ではあるが、読みようのない文字である。
「人左川度。キウンヨザギンブ。クレビラキ。当家大明神大女神也」
こう書かれていた。
千代は考えたが、分らなかった。それを紙片に書きとり、系図を元の場所へおさめ、折にふれ紙片をとりだして考えふけったが、どうしても、手がかりがない。
四十九日がきて、近在の人々が集った。そのとき、江戸から回向にきてくれた碁打の一人が、