轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
08 その七 石の下
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,242 字 · 65 页
「それも、そうだね。しかし、いつまで待たせるのかね」
「刻限があるのだそうだ。その刻限になると手打ウドンがでてくるそうだから、そのへんへきたらそろそろ幽的のでる刻限だと思わなくッちゃアいけないね」
「甚だ面白えや。するてえと今はどのへんかなア。今ごろは白のいいとこのない局面だったね」
そこへお茶を持って現れたのは、千代である。甚八は苦笑して、
「そうだっけなア。なんでも奥さんが茶を持ってきて、そんときからオレの形勢が逆転したんだねえ。つまらねえ筋を見落したものさ」
思えば残念この上もない。五段とはいえ素人相手に四目で打ち負かされたとあっては、一生ねざめが悪いのである。甚八は渋いお茶を一息にほして、
「奥さんがあのとき現れなければ、私は負けがなかったかも知れないね。負け碁に仲のいいところを見せつけられちゃア、のぼせちまわア。オレも若かったなア」
「誰でも負けがこむと、同じ手合の人でも三目ぐらいまで打ちこまれるそうですわ。碁打ちの方は皆さん覚えがおありでしょうよ」
「それがあなた、奥さんの前だが、私はあの一夜のほかには誰にも負けがこんだてえ覚えがないのだからね」