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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
08 その七 石の下
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,242 字 · 65 页
弟地伯を巧みに勘当した手際を見ても大胆不敵の悪略鬼謀が知れるじゃないか。天鬼は甚八を目の上のコブと見たのであろう。生かしておいては我より先に千頭家の秘密の財宝を見破る怖れが充分だ。他の者からは知ることのできぬ系図の謎を甚八にあかしたのは、甚八の捜索に尽力すると見せかけて、彼を敵手と見ている心をそらして見せた手段であろう。系図の謎を知ってみても、甚八の身に三文の得にもなりゃしないぜ。そんな物を知らなくたって、石の下に財宝が埋めてあるということは、すでに甚八が信じて疑らぬところだ。ここのカラクリが分れば、天鬼が目の上のコブをひねりつぶした悪計は一目リョウゼンというものだ。毒はひそかに塩ツボに仕込んでおいたに相違ない。自分も毒茶をのむかも知れぬ危い立場の天鬼を誰が疑る者があろうか。そこまでチャンと計算していたことだろうさ」
海舟の推理は巧妙に天鬼のカラクリをついて上出来だった。なんたる眼力! 虎之介はことごとく舌をまいて、平伏してしまった。
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千頭家では、今日しも、第二回目の実演が行われていた。碁盤の向うに、東太、天鬼、上座に志呂足、下座に比良、中に須曾麻呂が座をしめているのは前日と同じだが、甚八の代りには花廼屋がニヤリ/\と鼻ヒゲをひねって坐っている。