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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
08 その七 石の下
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 32,242 字 · 65 页
廊下には官服私服の警官がジッと見物しているのである。
さて階下の台所では、今しも千代がお茶をいれるところだ。その正面に宇礼が坐って、それを見つめている。ギンとソノもその近いところに座をしめている。千代はドビンに茶をいれて塩を入れ、熱湯をついで、火にかけた。しばらくフットウさせてから、二ツの湯のみに茶をついだ。それを持って階上へあがる。
次に宇礼の命令によって、ウドンをつくりはじめる。ウドンができる。ギンがウドンをもち、ソノがお茶のドビンを持って二階へ去る。今や残ったのは宇礼一人である。その正面に向いあっているのは新十郎。そして、ここにも官服私服の警官がそれをとりまいていた。
新十郎は女中が立ち去ると、宇礼をうながした。
「さア。それから、あなたが前日した通りのことをおやりなさい」
宇礼はハッと新十郎を見つめた。
「さア。つづけて、おやりなさい。この前、あなたがした通りに」
宇礼はゾッとすくんだように見えた。新十郎は彼女の前へ三歩四歩近づいて、坐った。
「やるのですよ。この前にあなたがした通りのことを」
新十郎の視線は宇礼の目にくいこんで放れなかった。決して強い力で睨んでいるのではない。