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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页
と、二宮少年が、顔を赤くして叫んだ。
「二宮は、ぼくのいうことをしまいまで聞かないで怒るから困るよ、つまりね――」
「つまり――はもうたくさんだよ、四本君」
「いいや。ここはどうしてもつまりといわなくちゃね、つまりぼくのいいたいことは、幽霊でもお化けでもすこしもこわいことはない。奴らも、物象学にしたがわなくてはならないのだから、物象学をよく勉強しているぼくたちは、少しもこわいことはない。すなわち幽霊にあったら、幽霊の浮力を観察すればいいんだし、鬼火が出れば、それは空中から酸素をとって燃えているにちがいないんだし、こういう風に、おちついて幽霊をだんだん観察していくと、幽霊がどんなことをする能力があるかが分る」
「むずかしいね」
二宮少年は顔をしかめる。
「むずかしいことはないさ、そういうわけだから、ぼくたちは幽霊をおそれずに、時計屋敷の幽霊に会って、はたして幽霊が北岸のおじさんたちをかくしたかどうか、それを推理すればいいじゃないか。さあ、みんなで、時計屋敷へ行こう」
「さんせい!」
「ぼくも、行くよ」
「なあんだ、行くなら行くと、それを先にいえば、ぼくは文句なんかいやしなかったんだ」