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とけいやしきのひみつ

時計屋敷の秘密

海野 十三

「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 36,481 字 · 74 页

青空文庫

「かまうことはない。どんどん、はいってみようよ」

少年たちは元気であった。

そこで額を横へひっぱって、うしろの穴から、少年たちは中へはいっていった。

うす暗い部屋、ぷーンとかびくさい。畳がしいてあるが、すっかりくさって、ぶよぶよである。

目が暗さになれてくると、少年たちはその部屋のひろいのに気がつき、それと同時に、その部屋のまん中に、鉄格子があるのを発見した。

鉄格子というよりも鉄の檻といった方がいいであろう。その鉄格子は、床と天井とをつらぬいていた。

「あっ、檻の中に人がいる!」

二宮君が悲鳴をあげて叫んだ。

「なに、人だって」

みんなこわごわ檻の方へ寄って、中をのぞきこんだ。なるほど人が倒れている。洋服を着ている男らしい。何者か。

四本君がこのとき懐中電灯の光を、檻の中の人の顔にさしつけた。

「おや、骸骨だよ。骸骨が洋服を着ている」

「手も、白骨になっている」

檻の中で死んでいる人物は、やはり囚人でもあろう。しかも年代がずいぶんたっているらしい。洋服を着ているところから見ると、外国人であろうか、それとも当時の新しがり屋であろうか。

「まさかヤリウスの白骨死体じゃなかろうね」