轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あさかのみやでんかにじしてみなみアルプスのたび
朝香宮殿下に侍して南アルプスの旅
木暮 理太郎
「中学生」1923(大正12)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,765 字 · 26 页
一週間振りではあり、ほろ酔の好い気持ちで、長湯して戻って来ると、奥の御座所に隣る広間が私共の座敷に充てられ、一同は既に膳についてビールを飲んでいた。酔が廻るに連れて一同の興は益々加わり、盛に献酬し、盛に満を引き、盛に談じ、且盛に哄笑した。殿下はこの有様をお咎めもなく、反て「皆の顔が見えなくては淋しい」と仰せられて、隔ての襖を取り外しになり、御座を広間の近くにお移しになって、微笑ましげに一同をお見渡しになった。私共は憚りもなく交る交る御前に参じて殿下にお酌するお許しを得た。何とこれは世にあるまじき無礼講であったろう。又貴賤の差別を撤した和楽の会であったろう。私共の騒ぎが余り大きいので、始めは驚いたように屏風の蔭からつつましく覗いていた家の人達も、はてはずらりと次の座敷の閾の外に整坐して、感激に満ちた面持ちで此光景に見とれていたのであった。
殿下は三時少し過ぎに一同を従えさせられ、自動車で韮崎駅へ向けて御出発になった。四時十分の列車で御帰京遊ばされる筈である。槇君と私とは、人夫達が遅れて到着したので、お伴申上げることが出来なかった。後に藤岡少佐から、畏くも殿下は「槇と木暮はどうした」