轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
すえっこ
末っ子
山本 周五郎
「オール読物」文藝春秋新社、1957(昭和32)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,564 字 · 55 页
「これはどうでしょう、いま細江さまから頂いたばかりですが」
「おまえ二分二朱しか払わなかったぞ」
「二分二朱でも泣きたいくらいですよ」と清兵衛が云った、「おふくろさまが腰を挫いたそうで、よっぽどお困りのようだったからやむを得ず買ったんです。まえに買った大小もあそこにつくねたままですしね、しかし、この短刀は若旦那の御注文に合ってますよ」
「どういうんだ」
「貴方の御注文は古刀のにせものということでしょう、これは正宗だそうです」
「だめだ」と平五は首を振った、「いくら友人でも正宗はだめだ」
「でしょうな」と清兵衛は太息をついた、「ようございます、捜してみますから二三日したら来てみて下さい」
それから下旬まで待った。五六たびも清鑑堂へかよい、二三本みせられたが、思わしいものはなかった。寄合の連中をびっくりさせ、叔父の面目を立ててやるのが目的だから、ありきたりの品では効果がない。どうしても名のとおった古刀の贋作で、素人の眼には真偽の判断のつきにくいものが欲しかった。だが、月の終りになると清兵衛は手をあげた。
「もうだめです」と清兵衛は云った、「だいたい私に刀のことなんか役違いなんで、初めっから無理なはなしだったんですよ」