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えいぞうのし
栄蔵の死
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第二十九巻」新日本出版社、1981(昭和56)年12月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 38,295 字 · 77 页
色の小白い、眼の赤味立った、細い体を膳の上にのしかけて、せっせと飯を掻込んで居る恭二のピクピクする「こめかみ」や条をつけた様な頸足しを見て居るうちに、栄蔵の心には、一種の、今までに経験しなかった愛情が湧き上った。
白い飯を少しずつかみしめながら、自分の娘の夫の若い男の様子を静かに、満足らしくながめて居た。
恭二の人物がいいと云うのではなし、どこがどう可愛いと云うのではないけれど、何とも云うに云われぬ、なつかしみを感じた。
少しばかりの菜でそう長飯しの出来る筈もなく、じきにコソコソと食事が片づくと話が局の事に渡った。
この不景気で近々人減しがあるので随分惨目なものが多いと良吉が云うと、お金は、すぐその言葉じりをとって、
「けどまあ、『うちの人』や恭二なんかは、永年お役に立ってるって云うので、そんな心配のいらない有難い身分なんですがねえ、そんな人達は、ほんとに気の毒でさあね。
会計の方じゃあ、まあ、おとつあんが居なけりゃあと云われるし、取り締りの方では、恭二が年の割りに立てられて居るんだしするから……
良吉は、
「広告はよせよ、
おい、良い加減にしなきゃあ、兄さんがあてられるぜ。