轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くわのきものがたり
桑の木物語
山本 周五郎
「キング」大日本雄辯會講談社、1949(昭和24)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 39,815 字 · 79 页
七
「なにを仰しゃるのですか」
悠二郎はぎくっとし、慌てて遮ろうとしたが、正篤は冷笑するように続けた。
「隠すことはない、おれも知っているのだ、大竜寺へ展墓にいったとき、寺の日鑑をみてすっかりわかったのだ、五代まえの先祖から、わが家の男子はみな若くて死ぬ、父上もお祖父さまもひいお祖父さまも、みんな二十から二十二三で亡くなっている、――おれに早く奥を迎えさせ、早く世継ぎのできるように強いたのも、母上や老臣どもがおれの短命だということを知っていたからだ、そうではないか、悠二郎」
悠二郎には口がきけなかった。両手で袴を掴み、頭を垂れ、こみあげてくる涙をけんめいに堪えていた。
「みんなには、おれの命よりも、世継ぎの有無のほうが重大だ、――たとえそのために、おれが寿命を早めることになっても、世継ぎをつくることができれば、そのほうがみんなのためにはよい、……そうではないか、悠二郎」
七
悠二郎はそこへ手をついた。そうしてできるだけ静かな調子で云った。
「私は殿が若死をなさるとは思いません、御代々が御短命だからと申して、殿も御短命であるとは定りは致しません、私は殿は御長命でいらっしゃると信じております」