轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はしのした
橋の下
山本 周五郎
「小説新潮」新潮社、1958(昭和33)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,189 字 · 25 页
老人は薪をくべ、火のぐあいを直した。すると煙が立って、いっときが隠れ、それから急に明るく燃えあがり、※(「陷のつくり+炎」、第3水準1-87-64)のさきが鍋底を舐めた。
「私がどんなふうだったか、ということは申しますまい、私も私なりにやっておりました」と老人は云った、「もし私が、彼に嫉妬していたとお考えになるなら、それは間違っています、私は少しも嫉妬は感じませんでした、ことによるとそれは、私の家柄がよく、身分もずっと上だったからかもしれません、私はむしろ彼を尊敬していたといってもいいくらいです、いい時代でした、家があり、家族があり、若さと力を自分で感ずることができ、そしてよき友達をもっている、――さよう、二十一の年まで、私はそのように安定した、満足な生活に恵まれていました。それが父の死を境にして、狂いだしたのです」
老人は土瓶に湯を注いで、若侍のほうへさしだした。若侍は首を振り、老人は自分の湯呑に茶を注いだ。
「つまらない話で、御退屈ではありませんか」
「いや、うかがっています」と若侍が答えた、「どうぞ続けて下さい」
「父が病死したあと、私にすぐ縁談が始まりました」