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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
「新趣味」博文館 、1923(大正12)年3月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,076 字 · 220 页
のだよ。どうして僕が知ったかと云うに、教えてくれた人があったからさ。誰かというに他でもない北京警務庁の連中さ。つまり彼らは僕のために暗号電報を打ってよこして、北京警務庁の依頼によって、袁更生の阿片窟を僕が暴露いたのを怨みに思って僕に怨みを晴らすため袁更生の一味徒党が僕の行先に着きまとい上海に渡ったということを知らしてくれたというものさ。その電報を見た時に僕は直覚的にこう思ったね。いやいや彼らが僕らを追って事実上海へ来ているなら、その目的は僕なんかに危害を加えようというのではなくて、僕らが抱いているある目的――云うまでもなく南洋へ行って埋もれている宝を探そうという、その目的を僕らの手から奪い取ろうということがすなわち彼らの目的であって、僕に向かっての復讐などは眼中にあるまいとこう思ったのさ。何故そう思ったかというにだね、南洋に埋もれている宝について、彼らは僕らとおんなじくらいの知識の所有者だということを、僕が発見したからさ。どこで発見したかというに他ならぬ彼らの阿片窟さ。どうして阿片窟で知ったかというに意外にも阿片窟の女部屋で、沙漠の娘と自称している紅玉という美しい土耳古娘を発見したからに他ならない。