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わたしのりれきしょ
浅沼稲次郎 私の履歴書ほか
浅沼 稲次郎
浅沼稲次郎『浅沼稲次郎 私の履歴書ほか』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の履歴書、浅沼稲次郎の三つの代表的演説、まあまあ居士の弁。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,264 字 · 91 页
と注意して帰った。社会主義者と朝鮮人に対する弾圧のことである。
そこで池袋の同志は一応思い思いの所に分散した。私はその夜早稲田大学裏にあった農民運動社に泊まったが、夜中の一時すぎ、窓や台所から乱入した二十五、六名の兵隊によってゆり起された。そして銃剣で、抵抗すれば撃つとおどかされながら、同宿の者数名とともに戸山ヶ原騎兵連隊の営倉にぶちこまれた。真暗で妙なにおいだけが鼻につく営倉の中で落付けるわけがない。翌日の夜練兵場に引張り出されたときはもうだめかと思った。しかし係官が住所、姓名を聞いただけで、また営倉にもどされた。いのちだけは助かったかと思っていると、こんどは市ヶ谷監獄へぶち込まれた。監獄に入ったものの何の理由で、いつまでおかれるのかとんと分らない。いまから考えると全く無茶な話だ。当時市ヶ谷には堺利彦、徳田球一、小岩井浄、田所輝明など第一次共産党事件関係者などもいて警戒は厳重、看守の態度もきわめて非人間的であった。
私はトコトンまで追い詰められて、かえって反抗気分が高まったようだ。巡回で通りかかった看守に『退屈だから本を読ませてくれ』と申入れた。