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うかぶひこうとう

浮かぶ飛行島

海野 十三

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页

青空文庫

「籤引? あきれた奴だ、選りだすんだ」

「ふふん、選りだすといっても、モルモットの中から鼠を探すときのように、そんなに簡単に選りだせるかね」

「無駄口を叩かないで、早く奥へいってみろよ。面白いから」

飛行島のワイワイ連中にとっては、いかにも面白い慰みごとかもしれないが、川上機関大尉にとっては、それは死ぬか生きるかの重大問題であった。

鑑定場

一人のカワカミと、それを捕らえてきた殊勲者とは、別々に鑑定委員の前によびだされることとなった。

カワカミはいずれも後手に縛られ、頸のまわりに番号を書いた赤い巾をまきつけてあった。まるで猫の頸っ玉のようだ。半裸体のもおれば、洋服を着ているのもいる。

殊勲者の方は、同じ番号のついた青札を手に持っていた。そして彼等はお互に、自分の捕らえたカワカミこそ本物で、貴様の捕らえたのは偽物だなぞと、罵りあっていた。

「おーい、青札の第一号はいるか。いたら、こっちへ入れ」

と鑑定委員は呶鳴る。

「へーい」

入ってきた第一号は、印度人であった。

「貴様はどこであの偽物のカワカミを引張ってきたんだ」

「に、偽物? じょ、冗談はよしてください」