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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
みんな、そのような大金をみたことがないので、気が遠くなるかもしれない。――などと、黒いのも黄いろいのも、褐色なのも、白いのも、それぞれはちきれるような歓喜に酔っぱらってしまった。
リット少将は、この有様をみて、たいへん満足のようであった。
ボーナスは、ほんとうに手渡された。
香港で下してくれという者もあれば、コロンボよりもっと先へまで送ってくれないのですかと、慾ばった質問をする者もあった。
皆は一旦解散したのち、自分の荷物をまとめると、また飛行島の甲板の所定の位置へ帰ってきた。爆笑の花園みたいである。誰の機嫌もいい。
そのうちに、海底牢獄につながれていた囚人までが解放されたうえ、これにもやはりそれ相当の慰労金をさずけられ、甲板へさしてにこにこ顔で現れたのには、皆をさらにおどろかせたり、よろこばしたりなどした。
「リット少将てえのは、あんなに話がわかる人だとは、今日の今日まで思ってなかったよ」
「そうよなあ。まったくお前のいうとおりだ。リット少将さまは、話がわかりすぎて、気味がわるいくらいだよ。俺はな、うちの女房に、ダイヤモンドの指環をかってやるつもりだ」