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うみからきたたまご

海からきた卵

塚原 健二郎

「赤い鳥 第二十一巻第五号」赤い鳥社、1928(昭和3)年11月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,534 字 · 10 页

青空文庫

四

」

爺さんは言いました。するとセルゲイが、

「ぼく、とてもいいことを考えた。」と言いながら立っていって、戸棚からお皿をもってきて、その上に卵をのせ、針で両はしに穴をあけました。そして上の穴に口をあてて、頬ぺたをふくらましてプープー吹き出しました。中身はだんだんお皿の上に流れ出しました。

これをみてミル爺さんもお婆さんも、お腹をかかえて笑いこけました。

セルゲイは、三つの卵がすっかりからになると、それに糸を通して、お窓につるしました。それはなんともいえない美しい窓かざりでした。お日さまの光があたるたびに、青いからがすきとおって、宝石よりもずっとずっときれいです。

「これはいい思いつきだ。こんな窓かざりは、市長さんの家にだってありやしない。」

爺さんは、子どものように手を打ってよろこびました。

四

ミル爺さんは、それきり船にのることをやめました。そして、よく窓に立って、ぼんやりこのめずらしい窓かざりをながめました。こんなとき、爺さんの顔は、晴れ晴れといかにも幸福そうにかがやきました。

爺さんはある日セルゲイに、こんなことをいいました。

「セルゲイや、わしはこれをみていると、海の上でみたお星さまを思い出すよ。