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うみのしょうねん
海の少年
小川 未明
「少年文庫」1906(明治39)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,574 字 · 6 页
「僕も歴史は好きだ。やはり海の学校の読本にも、壇の浦の合戦のことが書いてあるかえ。」とききました。
「それはあるさ、義経の八そう飛びや、ネルソンの話など、先生からいつきいてもおもしろいや。」
「僕も、海の学校へいってみたいな。」
「君、来年きたら連れていってあげよう。もう明日から、僕のほうの学校が始まるから。君も晩に東京へ帰るんだろう。ほんとうに来年の夏休みには、また君もきたまえ。僕もきっとくるから、そして海の底の都には、こんな真珠や、紫水晶や、さんごや、めのうなどが、ごろごろころがっていて、建物なんか、みんなこれでできているから、電気燈がつくと、いつでも町じゅうがイルミネーションをしたようで、はじめてきたものは目がくらむかもしれないよ。」
「じゃ来年は、ぜひ連れていってくれたまえ。」と正雄さんは、くれぐれもたのみました。
そのうちに日が暮れてきますと、西の海が真紅に夕焼けの雲を浸して、黄金色の波がちらちらと輝いたのであります。そのとき海の中に音楽が響いて、一個の大きなかめが波間に浮き出て、海の中の子供を迎えにきました。
「じゃ失敬! お達者で、また来年あおう。