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えんげきのようしき――そうろん

演劇の様式――総論

岸田 国士

「演劇講座第四巻 演劇の様式」河出書房、1951(昭和26)年11月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,091 字 · 22 页

青空文庫

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近くはまた、エドモン・ロスタンの『シラノ』が、「英雄喜劇」(h※(アキュートアクセント付きE小文字)ro※(ダイエレシス付きI小文字) - comique)と銘うつて発表されたことは、この戯曲の風変りな性格を想像させるに役立つた。

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もともと、「喜劇」とは別個のものでありながら、今日では、「喜劇的」という意味で、その一種と見做されているものに、「ファルス」がある。英語風に読めば「ファース」であり、これを日本では、「笑劇」と訳しているようである。

「ファルス」の歴史は非常に古いのであるが、現在、文献として残つている最古のものは、フランス十六世紀の所産である『代言人パトラン先生』で、この作品は作者不詳であるにも拘わらず、フランス古代劇の傑作とされ、「ファルス」にも高度な芸術性があることを再認識させる契機をつくつた。

それ以来といつてもいいが、才能ある新作家のあるものは、特に「ファルス」の名を冠した劇的作品を発表するようになり、日本にもその余波が伝つて来たように思われる。

「ファルス」の「喜劇味」は、むしろ、「道化味」と称すべきものであることが、最も大きな特色であろう。