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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
「このナイフを、僕が怪我させた少年に対し、謝罪の意味で贈りたいと思う、君から伝達を頼む」
といった。そして博士は、人々の笑声と罵りの声を後にして逃げるようにこそこそと、自動車の置いてある国道へ急いだ。
豪華な昼食
張とネッドの二人が仕組んだ牛頭大仙人の占いは、思いがけなく大成功をおさめた。その証拠には、翌朝エリスの町を後にして、国道を北へ進んで行く例の箱自動車の中は、野菜と果物と缶詰とパンとで、いっぱいであった。そしてその間から張とネッドが、顔をキャベツのように崩して笑い続けていた。これだけの食糧があれば、来週一杯、食べものに困るようなことはあるまいと思われた。張もネッドも、これから大きい顔をして食事をとることができるのだ。
さしあたり、その日の昼食は、近頃になくすばらしいものだった。路傍にある松林の中へ入って、清らかな小川を前に、四人の少年は各自の胃袋をはちきれそうになるまで膨らますことができた。そしてそのあとには、香りの高いコーヒーと濃いミルクとが出た。
「こんなに儲かるんだったら、夏休みがすんでも学校へ帰らないで国中うって廻ろうか」
ネッドは、たいへんいい機嫌で、黒い顔に白いミルクをつぎこみながらいった。