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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

で、本艇はだいぶやられたようですか、無事に飛んでいるのですか」

「さあ何といっていいか……」とマートンは首をかしげたが「とにかく今のところはこうして火星へ飛び続けているよ、本艇の損害は案外軽いのかもしれない。デニー博士がいま調べていられるのだ」

おおデニー博士。博士は無事なんだ、そしてもう元気に、重大な仕事に当っておられるのか。自分もぼやぼやしてはいけないと、河合少年はわが身を励ました。

老博士の教訓

河合少年は、仲間の安否を確めるために操縦室を出た。

どこもここも、たいへん壊れていた。艇の外壁などは、大きくもぎとられて廊下がむきだしになっていることがあった。

「あああぶない。そっちへ出てはいかん」

河合少年が廊下をのぞいていると、うしろから彼の腕をとって引戻した者がある。少年はおどろいて振返った。立っていたのはデニー博士だった。

「そこへ身体を出すと、吹飛ばされて墜落するからね。出ちゃいかん」

老博士は重ねて河合に注意をした。彼はうれしく思って、あつく礼をいった。博士は、軽く肯いた。それから、

「そうだ。君たち少年は四人だったな」

「ええ、そうです」