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かやくせん

火薬船

海野 十三

「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页

青空文庫

なぜか、そのわけをいえ」

「かえれば、死刑になりますからね」

「なぜ死刑になる?」

「へえ、それは――」といったが、竹見はちょっとどぎまぎした。

「それはその、仲間をちょいとやって、監禁されていたんでがすよ。死刑になる日まで、どこに待つやつがあるもんですか。丁度いい塩梅に、ボートがこっちへ出るということを聞いたもんで、それにもぐりこみやした」

竹見は、口から出まかせを、べらべらしゃべりながら、よくまあこうもうまいことが喋れるものだと、自分ながら感心した。

船長ノルマンは、苦が虫をかみつぶしたようなかおをして、聞いていた。そして竹見の言葉がおわっても、そのまま無言で、竹見をにらみつけていた。

あまりいい気持のものではない。

二三分たった後のこと、ノルマンは、熱が出た病人のようにからだをぶるぶるとふるわせると、はきだすようにいった。

「うそをつけ、小僧。貴様は日本人じゃないか!」

手剛いノルマン

水夫竹見は、肚のなかで、あっとさけんだ。

“うそをつけ、小僧、貴様は、日本人じゃないか!”

と、船長ノルマンから、だしぬけに一かつをくらわせられたのである。全く不意打をくらったので、びっくりした。