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かやくせん

火薬船

海野 十三

「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页

青空文庫

「さようですな、お値段のところは、まあ殆んど半額みたいなものでございます。まったく、ばかばかしい値段で……」

「それは、どうした品物かね。つまり品質のところは、どうだね」

「いや、その品質という奴が、すこし他のものとはかわって居りましてナ、そこのところが値段をお安くねがっているところでございますが、つかいみちによっては、りっぱに使えますので……」

モロは、わざと、相手の求めているのを、知らんふりをして、自分に都合のいい方へ引張りこんでいく。なかなか達者なものだった。しかしポーニン氏も、二くせも三くせもある人物である。うまく警部の手にのるかどうか。

「値段のところは、まあどっちになってもいいんだが、普通品に比べてその品物の欠点というと、どんなことかね」

「実は二三の欠点がございます。まあしかし、そのうち主な欠点というのは、太陽の光線に会いますと、表面が白くなってまいります。つまり一種の風化作用が促進されるというわけですナ」

「ああ、太陽光線による風化作用か。そんなことはどうでもいいが、その他の欠点というのは……」

モロは、腹の中で、にやりと笑った。

(うふ、ポーニン奴。