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かやくせん

火薬船

海野 十三

「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页

青空文庫

太陽光線のことはどうでもいいといったが、するとポーニンのやつは、例のセメントを、太陽の光が届かないところで使うことを白状したようなもんだ。ふふふふ)

だが、モロは、それを顔付には一向出さず、

「あとの欠点は、それほど目立ったものではありませんが――まあもう一つは、つまりソノ、潮風とか塩気に当りますと、くろい汚点が出てまいりますんで」

といって、モロは、ポーニン氏の顔色を、じっとうかがった。

恐ろしき予感

「黒くなるというのは、品質がかわるという意味なのかね」

とたずねるポーニンの言葉つきには、真剣な色がうかんでいるようであった。

モロは、腹の中で、ふふふと、微笑をきんじ得なかった。

(ははあ、ポーニンの奴は、買いこんだセメントを、海洋方面で使うんだな。とうとう大事なことを白状してしまったようなものだ。俺も、なかなか大したうでをもっているわい)

だが、それはむねから下に、おさえておいて、

「いや、黒く色がつくだけのことで、べつに品質がかわるという意味ではございませんので……」

「もう他に、どんな欠点があるのか」

「いや、もうあとに、なにもありません」

「そうか。