轻松读懂日语经典作品
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ぶらいはうたず
無頼は討たず
山本 周五郎
「キング」大日本雄弁會講談社 、1936(昭和11)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,446 字 · 23 页
「そうかい、おらあまたやくざはおれ一代と定めたんだ、堅気が厭なら諦めて貰おう」
と庄兵衛の方はあっさりしていた。
骨の髄までやくざの水に染った猪之助、この挨拶がぐっと来たらしい、それからは佐貫屋へ出入りもせず、類を以て集るあぶれ者を身内に殖やして事毎に庄兵衛へ楯をつき、あげくの果には、
「やくざの繩張は腕と腕で来い」
とばかり、大っぴらに繩張荒しを始めた。
しかし庄兵衛はもともとやくざに厭気がさしていたところだから、子分たちの騒ぐのを強いて抑え、黙って猪之助のするままにさせて置いた。そんな状態ゆえやがて佐貫屋の身内にも庄兵衛の態度に飽き足らぬ者が出て来る、一人欠け、二人去り……この四、五年というもの、めっきり頭数が減ってしまった。ところへもって来て今度の事件である。
二月七日の晩、旦那衆の宴会に招かれて庄兵衛は一人で出掛けて行った、その席で猪之助と顔が合い、何か二言三言やりあいが有ったそうである――その帰り、坂本坂の杉並木のところで斬殺されてしまったのだ。
「それで下手人は――?」
「誰だか分らずじまいだと」
老爺は息をついた、「もっともね、噂によると佐貫屋さんの方では、猪之助親分が手にかけたものだと云って、その手証も押えてあると意気込んでいるそうなが」