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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页

青空文庫

そばで、帆村は、唇をかみながら、もくもくとして、ふかい考えにおちている。

仮面を取れば

うつくしいニーナ嬢は、ワイコフ医師の操縦する自動車にのって、邸へもどった。

玄関をはいって、大広間でガウンをぬいでいると、階段の上から師父ターネフが、いそいで下りてきた。

「おおニーナ。いまごろまで、なにをぐずぐずしていたんだ。下手なことをやったんじゃないかと、わしは気が気じゃなかったぞ」

ターネフは、いつになく、落着をうしなっていた。

「だって、あなたから命じられた、偵察任務をおえるまでは、現場を引あげるわけにはいかないではありませんか」

偵察任務と、ニーナはいった。房枝は、ニーナが、親切にも自動車で、現場までおくってくれたのだと思っていたが、そうばかりでもなく、ニーナは、偵察にいったのだという。

「ニーナ、二階へ来い」

ターネフは、そういって、また階段をそそくさと、上へあがっていった。ニーナは、ワイコフ医師にガウンをなげつけるようにして、師父のあとを追った。

二階に、ターネフの占領している広い部屋があった。南向きの窓からは、例の花畠が一目で見おろせる。

ターネフは、安楽椅子に、どっかと身をなげかけた。