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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页

青空文庫

警笛が、ぶーッと鳴りだした。

宿直の二等運転士のところへ電話がかかって来た。彼は、おどろいて、電話機をにぎったまま椅子から立ち上った。

「えッ、第一船艙が爆破した? ほんとか、それは。大穴があいて海水が浸入! 防水扉がしまらないって? 機関部へ水が流れ込んでいる。エンジンはどうした。機関部も故障だというのか。船長? 船長は、ここにいられるが」

雷洋丸の第一船艙におこった爆発事件! そして、運わるく防水扉はしまらないで、浸入した海水は、洪水のように機関部へ流れこんでいくという。

船長が、電話をかわった。

「おい、どうした。そこは機関部か。なに、機関長だと、それで、どうした。極力手をつくしているが、非常に危険だというのか。よろしい、分かった。すぐ避難命令を出す。そっちは一つ死力をつくして、がんばってくれ!」

電話機を下においた船長の顔は、まったく、一変していた。眉の間には、つよい決意の色があらわれていた。

「総員、甲板へ。それから、無電で、救難信号を出すんだ。早く」

船長は、てきぱきと、次から次へ命令を出した。

しばらくして、船長は、帆村探偵のことを思い出して、彼の名を呼んだ。