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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生犀星『犀星王朝小品集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:荻吹く歌、舌を噛み切った女、玉章、津の国人、野に臥す者、花桐、姫たちばな。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,794 字 · 211 页
上品なものに崩れかかるようなものが、すてを柔らかく仕立ててくるようであった。都の女はすての顔立にある男らしさを美しいといい、すては女はみなこうあらねばならぬ頸のほそれを、都の女に対って褒めていった。
千畳の藪前で、間もない都がやや夕づいた景色を見て、二人は別れようとして、都の女はすての手をとり、いただくふうにして謝意をのべた。いのちも、からだをも守ってくだすったあなたは、女であるからそうして下されたのだ、事情あって都に遁れてお見えの折は、きっとわらわを頼って来てくれと彼女は先刻と同じようにいい、瞼をしばたたいた。不思議な友情をはっきり見てから、すても永い間経験したことのない女の気持をむさぼるよう、むねにかきいた。すては元来た道を、羅で面を蔽うたまま馬をはしらせた。彼女はこの虫の垂衣が嬉しくてならなかった。
この日袴野と小者らは一時に出払い、山塞には生きものは何も一匹もうろついていなかった。すては髪を洗い岩の上でそれを乾かしながら、自分が山稼ぎの中のただ一人の女であることをなんとなく、気になり出していた。何時かの都の女をたすけてから、都の町のようすが知りたかったし、夜にまぎれて大路を歩いて見たかった。