轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生犀星『犀星王朝小品集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:荻吹く歌、舌を噛み切った女、玉章、津の国人、野に臥す者、花桐、姫たちばな。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,794 字 · 211 页
」
「はい。」
「間もなくでござるぞ。」
「はい、しばらくのご猶予をおねがい申します。」
「そなたは神仏に誓いを立てたと申されたな。」
「はい。」
「大祓いして解くことができるではないか。我らの倖せは神仏もご嘉納あらせられるであろうが……」
「いいえ、それは恐れ多くて筒井にはいたしかねまする。」
「ではいつまでも待つことにするぞ。」
「はい。」
女車は垂扉をあげ、筒井は腰をおろしてからも心は一杯であった。あれから二年まるで便りがない男にどうつなぎを結ぶ自分であろう、生死もわからぬ人をあくまで待ち抜くのが女の道であろうか、ともあれ、三年は静かにからだをまもらねばならず、それをそうしないということは筒井の心が済まされなかった。そして不思議に二年の半ばをすぎたいまは、男の呼吸づかいがしだいに筒井の身のまわりから、澪がしずまるように遠退きつつあった。そしてこれは詮ないことだった。男の何かに確乎とつかまっていようとする筒井には、妙に貞時の感覚とか印象とか親切さが日を趁うて加わり、解きがたいものになっていた。貞時の父は筒井を呼び改めて家族の一人として迎えたいといい、もう、精神的にも、情の深さからも、不倖な一家の事情からも、筒井は言い逃れはできないようになっていた。