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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

04 一九三七年(昭和十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页

青空文庫

七月十三日

様子がわからないということは、本当に苦しいときがある。きのうお目にかかる前の日私は割合自分の仕事を一区切りした気分その他でのんきらしい手紙を書いたりして。

きのうは、あの位立っていらっしゃるのが骨折りではなかったでしょうか、あとから熱が出ませんでしたか。あすこは明るいので顔色のわるいのが目立ったかもしれないのに、いきなりびっくりして、わるかったと思います。でも、余り、これまでより冴えなく見えたものだから。

ところで、先ず弁当のことはかえりによって調べたところ、私が六月十九日に行ってとりあえず五日とたのんでおいたのを二十五日から五日間入れてしかも一本しかカユでなく四本普通になっていたのでした。四本分は責任を負って何とかするとのことです。何しろあの時分はひどかったそうで、あやまっていました。さぞいろいろ不自由なさったでしょう。そういうことがやっぱりさわって来ているのですね。きのうは二十日までおカユその他を入れました。

毛布カバーつき、座布団カ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ーをお送りします。お金を四十円送ります。野原のことはこまかく様子をききますが、私として、あなたの体が工合わるいときそういうことまで心を労させるのがいかにも本意ないから、私に何でも云って貰うようにしようと思う。