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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

04 一九三七年(昭和十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页

青空文庫

夜中に二三回お父さんの御用でお起きになるし。隆ちゃんがとなりに寝てあげています。

名画エハガキはつきましょうか。輸入禁止になるので特別にお目にかけたくてお送りしたのですが。では又お目にかかって。きょうはまだ眠たい、大体この頃眠たくて。あなたもよくおよれますか

十月二十九日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

十月二十九日  第三十四信

きょうは暖い天気です。天気が暖いばかりでなく暖い。体の内に何とも云えない暖かさと安らかさとがある。こういう気持、何と久しぶりでしょう。

きのうはあれからかえって、お昼をたべて、それからお客に会って、眠りました。朝あの時間にゆくためには、前晩おそいといつも眠い。(前の日に『婦人公論』へ刻々の課題という女のきょうの生きかたについて書いたので)目がさめたら五時。五時半から中央公論の故瀧田樗蔭十三回忌あり。私も発起人の一人。ゆこうかゆくまいか。紋付着て帯しめて苦しい。それでも決心して出かけました。徳富蘇峰、桑木厳翼、如是閑その他という顔ぶれ、作家では秋声、白鳥、春夫、※(「弓+享」、第3水準1-84-22)、久米など。