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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
04 一九三七年(昭和十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页
木星社のにも二日違いで間に合いませんでした。私は大変うまく字が出ていてうれしい。ツゲの木です。数を多く捺すのには一番よい由。
百合子
第三のおくりもの。名のこと[自注7]。私は昨夜もいろいろ考えたけれど、まだはっきり心がきまりません。単なるジャーナリズムの習慣でしょうか? 果して。もしそうだとすれば、何故私はこうして考え、よくよく考えずには返事出来ないものが内的の必然としてあるのでしょう。それに、お話を伺ったとき、私はこのことと私の生活の土台云々のことが、ああいう下らぬ混雑につれて結びついて出ている、思いつかれている、そのことでは、率直に云って大変くやしかった。そして、何だか腹立たしかった。私の生活の土台! 勿論それは常によく手入れされ、見廻られ、より堅固にされるための種々の配慮が必要であることは自明なのですけれども、そのためのいろいろの忠言というものを、私は実に評価して、一箇の私事ならずとしてきいて居ります。けれども、もし、私の生活の土台が二元的な危険をもっているならば、どうして今日まで私の人及び芸術家としての努力を統一的に高めて来ることが出来たでしょう。