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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

面白いわね。

このような突こみ、綜合性、様々に示唆的です。心にある文学的覚書(その中で文学のプログラムをわかってゆきたいと考えている)の核へ種々のヒントが吸いよせられてゆく。この前書いたものを継続して、而も文学の諸相をもっとも歴史の土台に深く掘りさげてかき、その過程でプログラムについても理解してゆきたい、そう思っているので。一年に一つずつそういうものを百枚か二百枚かいて、一より二へと深めひろげて行ったらずいぶん面白いものでしょう。子供っぽい正義派的フンガイなんかよりもね。

法律より経済の方が面白いということ、わかる気がします。

花の絵さあここでめぐり会った。亀井氏を筆頭とするロマンチストたちが盛に引っぱりまわして、ごみだらけにしていた一句が。(芸術に関する)例のギリシア神話のことです。「困難はギリシア芸術及び史詩(ホーマー)が或る社会的発達形態と結びついていることを理解することにあるのではない。困難は、それらが今も尚われらに芸術的享楽を与え、且つ或点では規範として又及びがたい規範として通るのを何と解するかにある。」ここを引用し、「人類が最も麗しく展開されている人類の社会的少年時代が、二度と還らぬ段階として何故永遠の魅力を発揮してはならぬというのか?」