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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
ここをどくのであったら、家主に話して娘夫婦を入れてほしいと。ところがもう先約ズミで、S子さん一家が、赤ちゃん御入来で、うちがせまいから、後へ是非ということです。では、もしかしたら、今S子さん一家のいるところへ若夫婦ならどうだろう、では赤ちゃんの様子ききがてら行って見ましょうということになり、Sさんの家へ出かけました。上り屋敷のすぐ横。
行って見たら下八畳、二。上六畳。どっちも縁側つきで、隣りとくっついていて、(門ナシ)同じような家が四軒ずつ向いあっていて、すこしはうるさいかもしれないが淋しくない、いいしっかりした家でした。道々歩きながら話というものは何と面白く展開するでしょうと笑いました。だって私が林町へきめればS子さん一家うごき、S子さんたち動けば新郎新婦に家が出来る。ぐるぐるまわり工合が。
この頃、随分うちのことでは考えて居ります。きょう云っていらした相対的なものだからということは本当です。それにユリは自分のライフワーク的な労働について益※(二の字点、1-2-22)考えて来て居ります。そういう点からも、仰云るようにした方が一番いいのかしれませんね。