轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

呉々もお大事に。こんなこと云わずものことという感じ、云っても云っても云い切れぬ感じ。いつも二つがぶつかった心持で、この字をかきます。

五月三十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

五月三十一日  第四十三信

余り久しぶりだと、前の晩眠らなかったりして、折角きれいな血色を見て頂こうと思うのに。

気分大してましでもおありにならないのに、私の薬のことありがとう。本当にありがとう。どうかゆっくりと願います。すべてのことはあなたの体の工合をもととして行くのですから。きのう自分で気がついたのですけれど、お目にかかった最初の一目、私何とも云えないきついような眼付するでしょう。一目で御様子を知りたい心持、どうかしらという心持、その故ですね、どうぞあしからず。夜具使っていらっしゃること知って一安心です。ひさも、「マアようございましたこと」とよろこんで居ります。

きのうはあれから一度家へかえって、電話かけて、仰云っていた弁護人のひとたちのところを訪ね、用向きを果し、それから新宿までまわってひさのお祝いにやる帯の仕立てのことをたのみ、島田へお送りするお菓子を中村屋で発送注文をして六時すぎ、へとへとになってかえりました。