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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
少くとも、あなたにとって私が何かの役に立っている間は、チフスで死んでは相すみませんから、食物には気をつけましょう、大体、いつも気はつけているけれど。本当は、一昨日ね、私は暑気に当って大下痢をしてね、あすこにかけていて、すこしおとなしくなってしまっていたのです。お気がつかなかったでしょう? おかゆたべて、寝ていました(かえってから)。そして、アドソルビンをのんで、げんのしょうこをのんで。そしたら、きのうは大分よくて日比谷に出かけ、もう今は普通です。ほんの一寸した当り。でもそちらの待合所で、胃ケイレンをおこして白いもの着た人から注射して貰っていた男の人がいました。どこか特別体にこたえるのね、御自分で体の調子はわかっているから時間十分とって来てくれるように、昨日二人の弁護士に申しました。岡林さんは、疲れさすまいと思うのですって。あとで、もっと必要のとき長く話したいから。今頃栗林さん行って居りましょう。兵役法の書類のこと、そちらからの方が早いことになりました、きっとお話しになったでしょうから。
十五日から休みというのは、今のことだけで、日比谷全体のことではないのです、何しろ司法省が真先に夏休み廃止を提案したのだそうですから。