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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

八月九日  第七十五信

八月四日に書いて下すった手紙、八日朝、そちらへ出かけにとどきました。間に土、日があったせいでしたろう。第六信です。けれども、七月二十五日に速達下すった分は別として。それを入れれば四日のは七信目でした。百年河清を待つには恐れ入りました。私は、待って待って待っていると、ボーとして御飯の仕度するのを忘れて待っているというようなところがあって、この間の手紙、つい用向についてぼんやりしてしまってすみませんでした。話すべきこと、つたえること、勿論ノートにしてあります。そしてやっているのだけれど。

さてきょうはそういう方を第一にね。弁護士のひとの件。住所はやはり代々木上原でした。事務所は麻布区材木町一〇です。会う都合きいたら旅行中で一週間ほど留守の由。

義兄に(娘さんの良人)山口さん[自注27]という人があって(芝の角の家)その人も弁護士であるそうです。もしいそぐならばその人に紹介してもよいということですが、即答は私に出来ないのでお目にかかって(あなたに)きいてから、ということにしました。旅行中の人は第二東京弁護士会所属です。山口さんという人のことも、すこし分らせようと思います。