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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
いずれにせよ、誰かあれば大助りです。たとえお離れへ住むにしろ(これは大抵実現せず、寿江子の方をいろいろ考えなければならないから)。
本年の冬は瓦斯なしデーというようなものが出来そうな風です。電力の配給についての自発的節約も、もうはじまっています。林町では、電気時計が一時間に二分―十分おくれるのでおやめにして居ります。
きょうから又目玉ぐりぐりです。せいぜい、丁を出さないようにしてやるつもりですが。六日までに二日、五日と一刻千金が二日ぬけますから。でも凌ぎよくなりましたね。風には秋がおとずれています。今月はどっさり仕事があって、どうかうまくどれもやりとげたいと思います。弁護士のことなど、まあ大体目鼻がついたところがあって、些か安心です。又大分謄写も出来上りましたし。
本のこと、アメリカへの訊き合わせ出しました。それからいつぞや「化粧」というソネットのこと(八月二十日ごろ)かきましたね。あすこと同じ発行所から『ビウェア・オヴ・ユア・バック』という詩が出ているのですが、どういう内容かしらと興味があります。「ユア・バック」というような字は訳す場合むずかしいことね。