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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
この間うちからポツポツ話してね。一月の初旬から洋裁をはじめさせます。二月一杯人をおいて、三月に入ったら、暖くて万事簡単になるから二人でやって、ほかのひとに払う分でたかちゃん勉強しようというプランです。しかしこれもこの前の手紙で申し上げたようなわけで、そのときの事情によります。私の外出が(一日がかりの)多くなれば人はいなければなりませんし。
きのうの晩はフヂエが会へ一寸かえって二人きりだったので、すこし今度のことしんみり話しました。
なかなかたかちゃんとしては要点にふれて考えています、将来、自分と対手とがあまり程度ちがわぬように成長して来るかどうかという点を第一に。今までの自分の周囲が余りせまかったことも知って居り、あっちのひとが、すこし負担として考えているところのあるのも知っていて、どうしてよいか分らない、というところです、これは正直なところと思われました。
強いて、忘れようとすれば忘られない面も浮び上るのだから、マア自然にしておいて、生活の現実をどんどん進めてゆくがよいということにしました。生活そのものがつまりは決定するのですものね。
あちらでは、ソラ大変、何でもすぐ片づけなければ、と満州あたりに行っている憲兵さんか何かに片づけようとしたのですって。