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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

10 一九四三年(昭和十八年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页

青空文庫

そして、夜かえるのは道があぶないし疲れるから泊るということにして。

日曜日は七五三の日だったのね。あっちの女の子たちが五つですし。二時頃出たら四時すぎ着きました。車台が減っているのでこんなにかかったのね。降りたら、ヤーおばちゃんが来た! オバチャン! オバチャン! という声々の歓迎で、大きい母さん鶏のようにおせんさんが笑っているの。子供たちのおみやげはエホン、繩とび、リンゴ(大人へ一ヶずつきっちり)岩手から送ってくれ。包をもってくれてブラブラ辿りついて、夜まで卯女の家にいました。父さんも元気。あなたの病気を話そのほか。すこし話が経過をもっていることだと「一体いつまで知っているんだったっけか」という工合で両家の総員七人と私。泰子の二階で泊りました。ゆっくり眠って父さんは外出。母さんと子供たちとで豪徳寺の中を散歩しました。銀杏と紅葉が見盛りで、実にいい気持でした。いかにも十一月のおだやかな飽和したような天気でしたから。

夕飯後帰る予定だったら、栄さん夫妻が来るから待つということになって、そしたら雨になりました。

栄さんたちおそくよく来たと思ったら、話しがあったからだったのね。