轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
10 一九四三年(昭和十八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页
ああゆうじいさん、ばあさん達は畠に今何を植えているでしょう。腹の皮がくすぐったくなる程低空を飛行機が飛んでいました。こんな葉書はほんとに珍らしい。今日、明日に隆治さんに小包みを送ります。文庫では「マノン・レスコウ」と露伴の「為朝」でも入れましょう。今日もあたたかいこと。体の調子はようございますから御安心を。
三月十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
きのうの手紙で一つおとしたことを思い出し申上げます。
島田の方へお願いするということね、前便で御承知下すったとおりの有様で私たちとしては何とかまだやって見たいと思います。
あちらは、それはひところのことを思えばよほど様子はのんびりしていらっしゃいますが、達ちゃんはいつ留守になるかしれず、隆ちゃんはいず、トラックの方も変化するというきょうの様では、お母さんも友ちゃんや輝をひかえ、決してお気持にゆとりはありますまい。生活をこれ迄たたかって来てやっと少しはのんびり出来るかと思うと、というのがお年を召した方のお気持であろうと深くお察し申します。
さもなければ昨年から今までにあなたの方へ何とか実際的なこともあったかもしれず、私たちとしては、私たちが二十代でもなくなったのにと、やはり悲しいお気がするでしょう。