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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
10 一九四三年(昭和十八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页
今日、島田から赤ん坊のお祝いを頂きました。隆治さんを入れた写真はそちらにも行きましたろう。隆治さんは私のおぼろな眼でみると、どこやらあなたに似た風になってきているように見えます。達ちゃんはあの年ではもっと腹にも肩にも生気が張っていなければならないように見えます。やっぱり色々ああゆう表情の気分で動揺しているのね。私の取越し苦労でしょうか。
この頃のお手紙には夜気分がよいとあり、あの長い昼間は気持よくないということを心配します。夕方から少し熱が出て気分がいいのでしょうか。明け放しで頭が冷たすぎて何か気分がよくないのではないでしょうか、タオルなんかかけたらましではないでしょうか。営養が何処にいても悪くなる一方だから私は夜の気分のよさも油断は無用と思えます。呉々お大切に。
一月十三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 封書)〕
一月十三日
昨日は面白いことがあったのよ。ペンさん[自注1]に一通書いてもらって下へ降りたら、食堂のテーブルに御秘蔵物が置いてあるので、ヒョイと感違いして、さっき見て書いていたのをいつの間に持って来たのか、サテぼけかたも甚しいとひそかにびっくりしたら、それはまた別ので、しかも十二月二十八日朝と書いてあります。