轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

10 一九四三年(昭和十八年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页

青空文庫

苦笑いたしますし、妹もあの位になると、バカになっておかないといけないという時もあるものなのね、あちらは性格から云って頭が迅くまわるのを制すたちではないのだし、気づくことは万事気づいてのんびりしているというところ迄の修業の出来ていないのは当然でもあるし。ですから私の姉さん修業も相当の段階にたち到ったと申せます。きっと旦那さん修業にもいくらかこんなところがありそうに思われます。いかがなものかしら?

花屋の眺めについて御同感でしょう? それでも自然に茂っている樹は美しく、枝ぶりも好もしいし、葉も美しいし、やはりうち眺め、うち眺めして飽きることを知らない心のよろこびです。私はこうやって部屋が二階にあってしっとりとした心持で見ているのはいつもいろいろ様々の若葉を重なり合わせている木々の梢ですから、なかなか鑑賞の力はみがかれて来て居ります。泉物語の詩の話も久しいことしませんでした。自分のしんから気に入っている詩の話などというものは自分で書くしか仕様のないものね、しかも、やっぱりせめてはこの位の字もどうやらかけるようになって来なくては、ね。つい先頃までかいていたあの大きい粗末な荒い字を思い出すと、声のとぎれがちな叫びのようで大変苦しい気がします。