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おうさまのかんしんされたはなし

王さまの感心された話

小川 未明

「まなびの友」1920(大正9)年12月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,390 字 · 7 页

青空文庫

それは、野山を飛びまわって遊ぶためではありません。毎日、山河を越えてゆく旅人が幾人あるかしれません。それらの旅人は、ゆく先を急いでいます。けれど疲れて、よく眠入っているものもあります。家には、子供が父親の帰るのを待っているのもあります。中には、重い病気にかかって、早く息子の帰るのを待っている年取った親たちもあります。それらの旅人に元気づけるために、快く朝早く目をさまさせるために、私は鳴くのです。」と申しあげました。

王さまは、弟が小鳥になった心がけがよくわかりました。そして、姉も、妹も、弟も、みんな人々のためを思っているのをお知りになって、深く感心なされました。王さまは、永久に小鳥を平和の使いとされたのであります。

それから、すでに幾万年かたちましたけれど、星と花と小鳥は、人々から愛せられ、詩人から歌われています。三人の姉と妹と弟は、暁のある一時を、ものこそいわないが顔を合わして、永久にいきいきとして、たがいになぐさめ合うのでありました。