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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
池へ突き落したり、背中へ氷を入れたり、ひどいことをする。
浮世では残酷千万なことも神境ではさしたることではないらしく、白衣の連中も当り前の顔をして眺めたり、手伝ったりしている。
天草次郎が睾丸を蹴られて七転八倒した時だけは、さすがに一同、いささか緊張して凝視した。
しかし三人の辛抱のよいこと。ウムムと歯をくいしばり、脂汗をしたたらせても、けっして音をあげない。根負けしなければ自然に勝つと信じているのである。
天草次郎は闘志益々さかん、肉体の衰えるにしたがって、目は凄味をまして妖光を放つが、さすがに光秀と半平は心身まったく衰えて、気息エンエン、冬眠状態、ウワゴトも言いかねない有様となった。放置すれば、神の術にかかってしまう状態に近づいている。
そこで天草次郎は考えた。
すると、天啓が浮んできた。
天草商事も急変する世の移り変りには勝てず、商運まったく行きつまり、借金で首がまわらない。なんとか起死回生の手を打たなければならないところへ追いこまれている。
これあるかな。マニ教をそっくり利用してやれ、と、ふと気がついた。
それはお歴々が嵐の如く駈けこんできて、蹴とばし、ブン殴り、突き倒した時であった。