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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
あなたが専務。こちらが常務。ワケは、いずれ、ゆっくり話しますから、一度アリガトウ、と仰有い。今日があなたの新しい人生よ。そして、すこし、休みましょう。全快はしても、催眠薬の影響で、身体が衰弱しているから、それが恢復するまでに、あと一ヵ月ぐらい静養しなければならないのよ」
「そうか。そうか。心配をかけて、すまなかった。そう云えばわかったような気がする。ボクが愚かで、意気地なしだから、いろいろ御迷惑をかけお世話になったに、きまっている。たしかに、そうにちがいない」
「いいえ、そんな」
「イヤ、ツル子さん。わかっています。あなたは、たしかに、心の正しいお方だ。お世話になって、すみませんでした」
厚く礼をのべると、菊松は、又、昏々としばらく眠った。
それから、一ヵ月、菊松は退院した。
又、一ヵ月。菊松は転地静養から、まったく元気をとりもどして、はれて出社した。
社長のサルトルは時々病院へ見舞ってくれたから、とっくに顔ナジミだ。ところが意外な人物が、ニヤニヤしながら、近づいてきた。
「正宗さん、ボク、覚えてますか」
どうして、その顔を忘れよう。白河半平であった。
半平は人の思いは気にかけない。