轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いきたにんぎょう
生きた人形
小川 未明
「サンデー毎日 7巻49号」1928(昭和3)年10月28日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,925 字 · 10 页
ある町の呉服屋の店頭に立って一人の少女が、じっとそこに飾られた人形に見いっていました。人形は、美しい着物をきて、りっぱな帯をしめて、前を通る人たちを誇らしげにながめていたのです。
「私が、もしあのお人形であったら、どんなにしあわせだろう……。なんの苦労もなしに、ああして、平和に、毎日暮らしていくことができる。そして、前を通る男も、女も、みんな自分を振りかえって、うらやましげに見ていくであろうに……。」と、彼女は、ひとり言をしていたのでした。
このようすを、さっきからながめていた、この店の主人は、頭をかしげました。
「なんという器量のいい娘さんだろう……。しかし、ようすを見ると、あまり豊かな生活をしているとは思われない。さっきから、ああして、人形に見とれているが、ものは相談だ。あの娘さんは、雇われてきてくれないだろうか?」と、主人は考えたのでした。
「もし、もし。」といいながら、彼女のかたわらへ寄って、主人は、軽く、その肩をたたきました。
少女は、びっくりして、振り向きますと、主人が、にこにこした笑い顔をして立っていました。
「おまえさんは、さっきから、なにを考えておいでなさる?」