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いきぬくちから
生きぬく力
小川 未明
「新児童文化 第1冊」1940(昭和15)年12月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,352 字 · 11 页
そういえば、その三人のお母さんたちは、よく知り合っているように話をしていられました。おまえも、勉強すれば、もっとできるのだがと先生がいっていらしたよ。」
「先生は、健康第一、勉強第二と、いっているくせになあ。」
「健康と怠けることとは違います。ああいうところへ出ると、できない子供のお母さんは、気の毒ですよ。先生の前で、頭ばかり下げていなければなりません。」と、お母さんが、いわれました。
「そんなお母さんあって。」
「どこのお母さんか知らないが、先生の前でペコペコ頭を下げていた人がありました。」
「どんなお母さん。」
「働いている方のように、みすぼらしいふうをしていましたが……。」
これを聞くと、孝二の目は、かがやきました。
「それは、小泉のお母さんだ。よいとまけをやって、小泉と妹と三人で暮らしている、貧乏な家なんだよ。」
「それで、私が、家にいませんからと、先生にいっていらした……。」
「二、三年前にお父さんが死んだのだそうだ。しかし、やさしい、いいお母さんらしいのだよ。」
五、六年は、たちまちに過ぎてしまいました。植木屋が、七、八年は持つといった竹垣も、この秋には新しくしなければなりませんでした。